トレードの豆知識

損切りしない簡単なFXトレード

別記事「FXとは-FXの現実」で確認しました通り、圧倒的多数の人は、FXでお金を失います。公的機関が出した結果ですから、ほぼ間違いないでしょう。

  • 2015年5月から2020年4月までの5年間に、FXで損した金額:1.4兆円(日本)
  • 2009年~2013年の通算成績で、損益がマイナスだった人の割合:89.4%(フランス)

ここまで負けが込んでいますと、トレード手法や損切りの問題でなく、根本的な「何か」を変えないと資産を増やせないかもしれません。

そこで、根本的な「何か」に迫るトレード手法をご案内します。損切りしない手法です。



損切りしないトレード手法

背景にあるもの

一般的なトレードでは、損切りは必須です。

例えば、円高トレンドなのに買いポジションをずっと持っていると、含み損が大きくなって大変です。その事態を回避するために、損切りします。

ところが、人間ですから、簡単にいきません。

  • 損失を確定したくないし、ストレスになる
  • 損失確定した後で円安反転したら、悔しい
  • 損切りばかりして、資金を減らしてしまう

だったら、発想の転換です。損切りしません。自由に買って、自由に利食いします。含み損になったら、含み益になるまで放置します。

極めて簡単なトレード手法です。インジケーターを使っても良いですし、何かのニュースを基準にしても構いません。

トレード手法の概要

詳細な解説に入る前に、概要を箇条書きにします。

  1. 1回の取引数量は小さく
  2. 損切りしない
  3. 証拠金は十分に準備
  4. スワップポイントはプラスになるように
  5. 新興国通貨ペアは避ける
  6. 自由に買って、利食いを繰り返す

では、長期チャートを見ながら、手法を詳細に確認しましょう。

考察例1:米ドル/円

例えば、米ドル/円=110円で、1万通貨を買うとします。その後、円高になりました。

米ドル/円 含み損
100円 △10万円
90円 △20万円
80円 △30万円
70円 △40万円

下は、米ドル/円の長期チャートです。過去の円高記録は75円ですから、上の試算は70円まで考えています(円高記録を更新しても強制ロスカットにならないように)。

米ドル/円長期チャート(1995年~)

上のチャートと合わせて考えますと、含み損40万円でもOKな証拠金を入金しておけば、仮に円高になっても、年単位で待つうちに円安に復帰すると期待できます。

待つ間、スワップポイントで稼いで、期待通りに円安になったら利食いします。

損切りしないトレード手法の成功です。

検討すべき課題

上のトレードでは、検討すべき課題が少なくとも2つあるでしょう。

課題1:含み損がある間、待つだけか

取引を始めてから含み損になる場合、含み益になるまで延々と待ちます。その間、どうしましょうか。ただ待っているだけなら、退屈すぎます。

この退屈さを解消するために、以下の案(例)を採用できます。

最も円高のポジションの買値から2円以上円高になったら、再び自由に買って良い。

2円というのは、適当な例です。1円でも構いませんし、3円でも構いません。

例えば、以下の内容で買いポジションを持っているとします。

  • 110円
  • 108円
  • 105円

この場合、為替レートが103円以下になったら、再び買っても良し、ということです。

買ってから大幅に円高になったら、含み損になっているポジションのことは忘れて、改めて自由に買いを狙います。

含み損ポジションについては、証拠金を十分に準備しています。円高記録になっても強制ロスカットになりませんから、事実上放置して、円安になるのを待ちます。

放置している間、スワップポイントをもらいつつ、別の取引で利食いを狙います。

課題2:含み損の金額が大きすぎる

買った後に円高が進んだら、再度自由に買って良い、としました。この場合、問題がもう一つ出てきます。

期待外れで円高が進む場合、含み損の金額が大きすぎることです。買った後に米ドル/円=75円になる場合の試算例を、見てみましょう。

購入時レート 購入数量 現在のレート 含み損
110円 1万通貨 75円 35万円
105円 1万通貨 30万円
100円 1万通貨 25万円
95円 1万通貨 20万円
90円 1万通貨 15万円
購入数量合計 5万通貨 含み損合計 125万円

5万通貨保有して為替レートが75円になったら、含み損は125万円になってしまいます。あまりに大きな含み損です。

この場合の対処法は、2つあります。

  • 対処法:1取引の数量を小さくする
  • 対処法:円安の時に買わない

この2つを実行すれば、含み損を大幅に小さくできます。しかし、下のチャートに赤枠で囲みましたとおり、米ドル円は、なかなか100円未満になってくれません。

これでは、円安の時に買わない(=円高の時に買う)が実行しづらいです。

米ドル/円の買いたい価格帯(長期チャート)

そこで、別の通貨ペアを探してみます。米ドル/円に限定する必要はありません。

考察例2:豪ドル/円

別の通貨ペアの例として、豪ドル/円を見てみましょう。下の通り、円高記録は55円くらいです。55円まで円高になったら反発しやすいのでは?と予想できます。

過去何度も、同じような為替レートで反発して円安になっているからです。

豪ドル/円長期チャート(1995年~)

そして、円高部分で買うというルールにします。例えば、下の赤枠の範囲です。例として、55円~80円としました。範囲は25円(2,500銭)です。

先ほどの米ドル/円の場合は、70円~110円くらいを想定しましたので、範囲は40円(4,000銭)です。範囲を大幅に狭くすることで、含み損を限定的にします。

豪ドル/円の買いたい価格帯(長期チャート)

赤枠の中で、自由に買って利食いを繰り返します。

そして、為替レートが円安になって赤枠を超えて上昇したら、このトレードは終了です。別の通貨ペアを探します。

損切りをしないだけあって、このトレードの勝率は100%を目指します。

準備すべき資金は、いくらか

では、このトレード手法で準備すべき資金はいくらか、試算してみましょう。

豪ドル円で、55円~80円の範囲で自由に買って良し、というルールにしたとします。1回の取引数量は1,000通貨で、最も円高のポジションから2円以上円高になったら、改めて自由に買って良いとします。

この場合、準備すべき資金は、最大で20万円くらいです。

実際には、2円円高になったら必ず買うというわけではありません。買いチャンスを狙っていたら、3円円高になったところで買うという例も頻発するでしょう。

よって、必要な証拠金は10万円台後半だと予想できます。55円~80円という巨大な範囲で自由に売買するのに、準備すべき資金は意外にも少ないです。

今までどんなトレード手法を試してみても、全然資金を増やせなかったという場合、損切りしないトレード手法を検討する価値があるでしょう。

練習としても使える

なお、この損切りしないトレード手法は、トレードの練習としても使えます。

例えば、ボリンジャーバンドを使ったトレードを極めたいというのが、希望だとしましょう。しかし、デモトレードは面白くないし、損切りを繰り返すのも面白くありません。

この場合に、この損切りしないトレード手法で練習します。

うまくいけば、利食いできます。うまくいかなくても、放置しておけば大丈夫です。損切りしません。放置でOKですから、変な緊張感を持たずにトレードできるかもしれません。

うまくいかなかった理由は何か、考えながら次のトレードをします。

デメリット

以上、メリットばかり書いてきましたが、どんな手法にも必ずデメリットがあります。そこで、デメリットを確認しましょう。

想定以上に円高になる場合

この記事では、米ドル/円と豪ドル/円を考察しました。例えば、豪ドル/円の円高記録は55円くらいですが、仮に40円台に突入したらどうでしょう?

2008年のリーマンショックでも、55円の壁に跳ね返されました。よって、豪ドル/円の40円台は現実味があるかと言えば、疑問符が付きます。

しかし、相場に絶対はありません。1,000通貨の取引で10万円台後半の資金が必要か?という感じで書きましたが、資金はもう少し多い方が安全です。

ちなみに、入金で対応すべきというわけでもありません。と言いますのは、トレードで利食いを繰り返すからです。

利食いすれば、資金(証拠金)が増えていきます。スワップポイントもあります。すなわち、入金でなく、トレード益で資金を確保します。

よって、含み損になってもいいや、という手法ではありますが、積極的に利食いを狙います。

スワップポイントが大幅マイナスになる場合

日本の政策金利は極めて低いですが、外国がそれ以上に低くすると、もしかするとスワップポイントがマイナスに転じる可能性があります。

しかし、多少のマイナスならば、大きな問題にならないでしょう。と言いますのは、トレードで利食いを繰り返すからです。

この手法に向いたFX口座

最後に、この手法に向いたFX口座を確認しましょう。

  • 1,000通貨以下から取引可能
  • キャンペーンで資金を確保しやすい

この手法は、どのように買っても構いません。インジケーターを使いたかったら使えば良いし、嫌だったら使う必要はありません。

とはいえ、豪ドル/円を1,000通貨で取引する場合、20万円前後の資金が必要という判定でした。最低取引数量が1万通貨だったら、200万円くらい必要になります。

これだと、少々厳しいという場合が少なくないでしょう。よって、1,000通貨以下で取引できるFX口座が望ましいです。

さらに、口座開設キャンペーンで資金を確保したいです。1,000通貨でどんどん利食いを繰り返すとはいえ、資金増加速度を引き上げたいです。最も手っ取り早いのが、口座開設キャンペーンです。

セントラル短資FX

当サイト経由でセントラル短資FXの口座を開設いただくと、新規5万通貨の取引で5,000円をもらえます。

他サイトにない特典ですので、この機会をご利用ください。

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マネーパートナーズ

また、マネーパートナーズのFXnano(ナノ)口座も、有力候補です。

こちらは、100通貨から取引可能ですから、豪ドル/円で損切りしないトレード手法を用いる場合、2万円くらいで実行可能です。

さらに、当サイト経由でマネーパートナーズの口座を開設いただき、1万通貨取引しますと、1,000円をもらえます【当サイト限定】。この機会をご利用ください。

  • この記事の監修者
ゆったり為替

ゆったり為替

兼業トレーダー(2004年FX投資を開始)。書籍・雑誌への寄稿:ラクラク稼ぐFX ループイフダン(共著)、FX月刊誌『FX攻略.com』など

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