FXの世界では、株式売買のような取引所は一般的ではありません。ほとんどが相対取引(あいたいとりひき)です。一方、くりっく365は取引所です。すなわち、取引の仕組みが大幅に異なります。
そこで、くりっく365の仕組みを確認しながら、そのメリットを考察していきます。
くりっく365は【FX取引所】
最初に、相対取引と取引所で、売買される通貨ペアにどのような特徴があるのか、検証しましょう。その次に、仕組みの違いを確認します。
すると、くりっく365の特徴がはっきりと分かるでしょう。
通貨ペアの取引金額シェア
日本のFXで人気がある通貨ペアと言えば、米ドル/円でしょう。下は、FX(相対取引)の業界団体「金融先物取引業協会」が公表したデータを基に、グラフ化したものです。
これは2019年の取引金額シェアで、くりっく365を含みません。
米ドル/円が圧倒的だと分かります。その他の通貨ペア全体を合計しても、米ドル/円の取引金額に及びません。
また、上位5通貨ペアで、全体の93%ものシェアを占めています。
一般的なFX会社では、取引可能な通貨ペアは20~30種類くらいあります。しかし、5通貨ペアくらいあれば、顧客ニーズの大半をカバーできると分かります。
くりっく365での人気通貨ペア
次に、くりっく365の公開資料を基に、通貨ペア別のシェアを確認しましょう。こちらの集計単位は「枚」です。
1枚=1万通貨です。南アランド/円など、為替レート水準が小さい通貨ペアについては、1枚=10万通貨となっています。
先ほどの円グラフと比べて、大きく異なることが分かります。何と、トルコリラ/円が1位になっています。そして、南アランド/円が3位です。
上位5通貨ペアが全体に占める割合は、75%です。金融先物取引業協会の公開データとは、何もかも異なるという感じです。
ただし、くりっく365は、取引枚数を基準にしています。
- トルコリラ/円1枚の金額=20万円未満
- 米ドル/円1枚の金額=100万円台
同じ1枚でも、米ドル/円の取引金額は、トルコリラ/円の6倍くらいあります。それを勘案しますと、くりっく365でもやはり、取引金額は米ドル円が1位になると分かります。
とはいえ、トルコリラ/円や南アランド/円などの取引が活発だと分かります。
高金利通貨ペアの取引が活発な理由
では、くりっく365において、なぜ高金利通貨ペアの取引が活発なのでしょうか。
くりっく365のホームページを見ますと、下の画像が出てきます。高金利通貨ペアのシェアが高いことを誇る内容です。
- 南アランド/円:シェア3割
- トルコリラ/円:シェア1割
- メキシコペソ/円:シェア5割
世の中に、FX会社は何十もあります。その状況でシェアが1割~5割もあり、大変高い数字です。
この理由は、スワップポイントにあるでしょう。くりっく365は、一般的に、相対取引の他社より有利なスワップポイントを提示します。
その数字を求めて、顧客が集合するという構図です。
口座数の推移
顧客が集まれば、口座数も増えていきます。下の通りです。2020年4月には、100万口座を達成しました。
顧客が預け入れた証拠金残高は、5,000億円に迫る勢いです。大変な人気ぶりだと分かります。
以上、くりっく365の取引の特徴を確認しました。次に、その仕組みを見てみましょう。
相対取引の仕組み
相対取引とは、顧客とFX会社が直接取引する方法です。下の図はイメージです。
左側にいる投資家は、世界の為替市場(インターバンク市場)で直接取引しているわけではありません。FX会社と取引しています。FX会社は、自社の裁量で為替レートを決定し、顧客に提示します。
このため、「固定スプレッドで××銭」というサービスが可能になります。固定スプレッドは便利で分かりやすい一方、恣意的な為替レート操作だと言えなくもありません。
くりっく365の仕組み
一方、くりっく365は、取引所です。左側にいる顧客は、くりっく365で直接取引します。様々なFX会社でくりっく365の取引ができますが、FX会社は仲介窓口の役割です。
このため、どのFX会社経由でくりっく365を使っても、顧客は同じレートで取引できます。
マーケットメーカー制度
では、くりっく365は、どのように為替レートを決定しているでしょうか。
くりっく365には、「マーケットメーカー」と呼ばれる制度があります。マーケットメーカーになった各社は、くりっく365に対して、為替レートを配信します。
くりっく365は、マーケットメーカー各社から受信した為替レートのうち、顧客にとって最も有利な為替レートを顧客に配信します。
例えば、以下の通りです。
マーケットメーカー | Bid(売り) | Ask(買い) |
---|---|---|
A社 | 100.00 | 100.04 |
B社 | 100.01 | 100.04 |
C社 | 100.02 | 100.05 |
D社 | 100.01 | 100.03 |
A社からD社は、マーケットメーカーです。それぞれが、くりっく365に対して上の為替レートを配信したとします。
この場合、くりっく365は、赤の太字で書いた為替レートを採用して、投資家に提示します。すなわち、私たちは、最も安い為替レートで買い、最も高い為替レートで売ることができます。
結果として、狭いスプレッドで取引可能になります。
ストップ狩りや不自然なスリッページがない
稀に、FX会社が「ストップ狩り」をしているのでは?と疑いの目を向ける人がいます。ストップ狩りとは、顧客の損切りを誘発してFX会社が儲けようとすることです。
FX会社は、自社の裁量で為替レートを自由に配信できます。そこで、インターバンク市場の為替レートと異なる不自然な配信があると、ストップ狩りを疑われることになります。
また、不自然なスリッページが疑われる場合もあります。成行で発注すると、多少のスリッページは仕方がない面があります。
しかし、それを考慮しても、このスリッページはおかしいのでは?という場面があるかもしれません。
実際に、ストップ狩りや不自然なスリッページが意図的に行われているのかどうか、それは分かりません。
しかし、相対取引の場合、為替レートはFX会社のさじ加減一つで決められます。どうしても、この種の疑いは出やすくなります。
しかし、くりっく365の場合、ストップ狩りや不自然なスリッページはありません。仕組みから言って、ストップ狩りや不自然なスリッページができません。
これが、くりっく365の「透明性が高い」「公正な為替レート」という評価につながっています。
スワップポイントが一本値
くりっく365は、スワップポイントが一本値(いっぽんね)です。これも、一般的なFX会社と異なります。
一般的なFX会社のスワップポイント
例えば、米ドル/円を長期保有するとします。このとき気になるのは、スワップポイントでしょう。
スワップポイント(例)
- 1万通貨買う場合:50円の受取り
- 1万通貨売る場合:60円の支払い
以上の通り、買う側と売る側で金額が異なることが一般的です。そして、1万通貨買って、同時に1万通貨を売る場合、スワップポイントの合計はマイナスです。この差は、FX会社の収入源となります。
顧客にとっては、コストになります。できれば、支払いたくありません。
くりっく365のスワップポイント
一方、くりっく365の場合は、買う場合と売る場合でスワップポイントの大きさが同じです。
スワップポイント(例)
- 1万通貨買う場合:50円の受取り
- 1万通貨売る場合:50円の支払い
1万通貨買って、同時に1万通貨を売る場合、スワップポイントの合計はゼロです。くりっく365は、スワップポイントで収益を得ようとしていません。その分、私たちに有利になります。
この、買いと売りでスワップポイントの大きさが同じことを「一本値(いっぽんね)」といいます。
ヒストリカルデータ分析もしやすい
くりっく365は、公的な取引所として機能しています。公的であるがゆえに、情報公開のレベルも高いです。例えば、以下の通りです。
- 上場以来の為替レート4本値(始値、高値、安値、終値)を公開
- 毎日のスワップポイントも公開
その他、様々な情報を公開しています。このため、くりっく365のデータを使って、過去の分析(ヒストリカルデータ分析)が可能です。
取引手数料
以上、様々な特徴を確認しました。くりっく365には、一般の相対FXとは異なるメリットが複数あります。そこで、くりっく365で取引することも検討できるでしょう。
では、くりっく365で取引するには、どうすれば良いでしょうか。
それは、くりっく365での取引を仲介してくれるFX会社で口座を作ればOKです。全部で10社以上あります。
どのFX会社で口座を作っても、同じ為替レートで取引できます。しかし、取引手数料は、各社バラバラです。そこで、取引手数料が無料のFX会社で口座を作るのが有利です。
全く同じものを売買できるのに、あるFX会社は有料で、別のFX会社は無料です。ならば、無料のFX会社を使うほうが望ましいです。
くりっく365取引シェア国内No.1
GMOクリック証券【くりっく365】取引手数料が完全無料
GMOクリック証券は、東証第一部上場のGMOインターネット株式会社が親会社です。くりっく365以外にも、店頭FX、CFD、株式、外為オプションなどの商品があり、一つのIDで管理が可能です。
GMOクリック証券の取引条件など
主な取引要綱
- 取引手数料:無料
- 通貨ペア:25種類
- ロスカット基準:証拠金維持率が50%を下回ったとき
- 最小取引単位:10,000通貨単位(為替レート水準が小さい通貨ペアは10万通貨)
- 両建:可能
- デモ口座:無
企業概要
金融商品取引法に基づく表示
- 商号:GMOクリック証券株式会社
- 所在地:東京都渋谷区道玄坂1-2-3 渋谷フクラス
- 登録番号: 関東財務局長(金商)第77号
- 加入協会:日本証券業協会、一般社団法人 金融先物取引業協会、日本商品先物取引協会、一般社団法人 第二種金融商品取引業協会