ひろぴー式スイングトレード【連載3】スイングトレードで脱サラしました
スイングトレード手法解説の第3回です。
第1回をご覧いただいていない方は、「スイングトレード手法【ひろぴー式】」から順にご確認ください。
シンプルな利益確定方法
戻り売りや押し目買いができ、その後、トレンドが発生して取引を始めたとします。この場合の、シンプルな利食い方法を紹介します。
含み益が100~200pipsに膨れてきたとき、気持ちはドキドキしちゃいますよね?
僕も同じです(笑)。ただ、ドキドキしては負けです。
相場の格言に「頭としっぽはくれてやれ」という表現があります。トレンドが発生して、2割ぐらい切り返した場所が着地点だと思ってください。
「それぐらいの含み益はくれてやる」くらいの気持ちでなければ、利益を引っ張ることもできません。
利食いを具体的に考える
下は、カナダドル/円の4時間足チャートです。
青色楕円で囲ったポイントが、エントリーポイントでした。そして、利食いのタイミングとしてよく使うのが、オレンジの楕円ポイントです。
理屈は非常にシンプルです。
SMA7にローソク足が3本重なる、そして、3本目のローソク足が終値でSMA7を上抜けた場合は、利食いします。
下図では、四角で囲ったローソク足3本です。
利食いのタイミングで見るポイントは以下の2つです。
- SMA7にローソク足が3本重っているか
- 3本目のローソク足がSMA7の上側で終値を付けたか
もし、3本目がSMA7と重なりつつも、SMA7より下側で終値を付けた場合は、利食いせずにもう1本様子をみてもよいでしょう。
利食いの注意点
上とほとんど同じ状態なら、OKとします。つまり、必ずしも厳密にローソク足を3本見る必要が無い時もあります。
今回の利食いタイミングで重要な点は、SMA7とローソク足がいくつか重なりあったという事実です。
大口トレーダーが一斉にポジションを閉じ始めた、あるいは、何かしらの経済指標の影響により逆方向に向かう力が加わった、そう判断する場合は、ローソク足を3本見る前に利食いしても構いません。
ローソク足の実体とSMA7が連続して重なり合うことが、トレンドの一旦の終焉ポイントと判断することができます。
トレンド転換点で見る「大陽線」「大陰線」
さらに付け加えると、利食いシグナルが出始めたあたりで、ローソク足の実体部分がトレンド形成中に出現したものよりも長い場合、それは有効な利食いの判断材料となります。
トレンド終了時には、底付近、あるいは天井付近で直近のローソク足より長いローソク足が何本か出現します。これが「大陽線」「大陰線」です。
今回の画像のように、下降トレンド中に長めの陽線が出現した場合は、底に近づいたと疑って、注意深く観察しましょう。
トレンドの終わりに出る長めのローソク足について、見てみましょう。
オレンジ色の楕円で囲ったポイントのように、トレンド中の陽線と比較して、明らかに長いとわかるローソク足(大陽線)が出現しています。
右端のピンク色で囲った陰線は、もうあと数pips終値が高ければ陽線となっていました。ここでは、大きなポジションのぶつかり合いがあったことを示しています。
大きなポジションの攻防は、トレンド中でもやや大き目の戻りが発生したり、時にはトレンドが転換してしまったりすることもあります。
このような、下降トレンドとは逆向き(陽線)の大きなローソク足が出現した場合には、トレンドの底付近であるかもしれないと疑い、ローソク足3本を待たずに素直に利益確定したほうが無難です。
保有ポジションの調整
次に、トレードがうまくトレンドにのっている際に、保有しているポジションをどのように調整していくかについて、確認しましょう。
トレンドの違いを見極める
皆さんは、トレンドと聞くとどのようなイメージを持たれるでしょうか?
FX初心者向けの書籍には、「トレンドとは、高値と安値を切り上げている=上昇トレンド、高値と安値を切り下げている=下落トレンド」という説明が書かれていることが多いと思います。
僕の中では、トレンドは大きく2種類に分けて考えます。
- ひたすら『上昇』または『下落』するトレンド
- 『押し目』または『戻り』が出現するチャネル相場
この2種類のトレンドの違いを把握しておくことで、「利益が乗っているポジションを丁寧に扱い、収益を確保することに結びつけることができる」と考えています。
今回はその点についてお話をしていきたいと思います。
ひたすら下落するトレンド
下のチャートの四角で囲んだエリアは、ひたすら下落しているトレンドです。このチャートは「売れば儲かる」という典型的な下落トレンドですね。
ローソク足がSMA7の下側で推移し続けている場合(四角で囲んだエリア)は、ポジションに触ることなく放置プレイでOKです。
利食いを考えることよりも、むしろ思惑通りに動かなくなった場合の「損切り」や戻り局面での「増し玉」に注力しておきましょう。
四角で囲んだエリアの先の赤丸部分では、SMA7が波打っていますね。そして、ローソク足が3本連続してSMA7の上側で終値を付けています。
このタイミングは、利食いポイントになりますので、利食いしてポジションを手仕舞いします。
トレンド中に現れる『チャネル』
下のチャートの四角で囲った部分に、着目してみます。
同じ下落トレンドでも、中盤から終盤にかけて、徐々に山と谷の波が大きくなってきています。この部分を『チャネル』と呼んでいます。
チャネルを形成するトレンドは、見た目は単調な形をしていますが、安値を少しだけ更新して深めに高値へ戻す傾向が強く出るケースもあるため、実際にトレードをしてみると難しいことが多いです。
チャネル相場での注意点
チャネル相場でポジションを持つ場合の、注意点を紹介します。
チャネルを形成する際の傾向としては、深めの波が2回連続出現すると、その後、3回、4回と増えていくことが多いです。
1回目の波が発生した時点では、単純な戻り売りポイントとして認識され、追加ポジションを建てるチャンスと思ってしまうかもしれません。つまり、手仕舞いのタイミングが近いとは認識されません。
しかし、トレンド発生中に大きな波が出現(上図赤丸部分)したら、「いよいよチャネルに突入か?」と気を引き締め直し、次に来るかもしれない”第2波”に備えます。
チャネルでのポジション調整ポイント
チャネル相場に突入したと判断した場合、安値を更新した後の戻り(上昇)局面においては、追加ポジションを建てるのではなく、早めの利食いを想定しておきます。
下のチャートは、上図の四角で囲んだエリアよりも少し広い範囲を拡大した図です。赤の矢印ポイントが利食いポイントです。
SMA7を終値で突破してチャネルに突入したと判断した場合、最初の波を見送るという方法もありますが、保有ポジションを少しだけ利食いするという判断もあります。
そして、第2波、第3波というように、段階的に利食いしていく方法です。
この場合の利食いするポジションは、追加でエントリーしたポジションをメインに考え、高値圏でエントリーしたポジションは保有しておいても構いません。
チャネル突入前のポジション
ひたすら下落するトレンド相場での戻り上昇局面は、絶好の追加ポジションのタイミングです。しかし、追加ポジション保有直後に第1波が来ました。下図は、その一例です。
チャートではSMA7にタッチ後(赤矢印)、一旦下落したあとに第1波(青矢印)が来ました。その後高値を付けて再び下落に向かい、含み益が増したという結果です。
しかし、それは結果です。そして、相場に絶対などありません。
この場合は、迷わず損切りするのが賢明です。4時間足ですから確認できるタイミングにもよりますが、SMA7を終値で突破して売値に近づいたら、損切りして下さい。
チャネル中のエントリーについて
下のチャートは、チャネル終盤に現れた比較的大きな波です。赤い矢印部分は、戻り局面での追加ポジションのエントリーポイントです。
説明する必要も無いくらいポジション保有後の上昇幅が大きいですね。おそらくロスカットにあうでしょう。
このことから、チャネル相場に突入した後の追加エントリーは、避けた方が良いかもしれません。
このように、チャネル相場に突入した場合は、いかに保有ポジションの含み益を失わずに、段階的に利食いしていくかを考えていく必要があります。
チャネル相場でのおさらい
- トレンド中の初めての「戻り」「押し目」から注意を始めよう
- 追加ポジションは「利食い」「損切り」の判断を早めにしよう
- ポジションを増やすことより、徐々に減らすことを意識しよう
トレンド終焉は乱高下が付き物
トレンドの終盤にさしかかると、そのチャネルのレンジがさらに拡大したり、レンジを抜けて急落・急騰を繰り返して、値幅の広いレンジに移行したりします。
このような現象は、市場参加者の欲と欲がMAXでぶつかっているからです。プロのトレーダーや一般投資家も一緒になって、いつもよりレバレッジを上げて、そしてオーバートレードを繰り返している状態です。
よく、天井や底では、長いローソク足が連続して発生していたり、極端な長いヒゲをつけたローソク足が頻発していたりするのを、ご存知でしょうか?
この現象は、売りポジションと買いポジションの大きな建て玉がぶつかり合った証拠であり、「利食い」と「突っ込み過ぎたポジションの損切り」が、ほぼ同時に発生した為に起きた結果です。
この現象が起きた後には、大きく反転をすることがほとんどです。
高値と安値が順調に切り下げない!
再び、ポンド/円【GBP/JPY】4時間足)に戻ります。
- やさしいトレンド→少し意地悪なチャネル→市場参加者を振り回す乱高下
- 利益を獲得→チャネルで収益を落とし→最後は全ての利益を吐き出す
よくやりがちなパターンですよね。僕は今でもやります(笑)。さらに、上図の『乱高下』部分を拡大してみます。
相場とは意地悪なもので、最後に一番ひどい動きをするのですね。高値と安値を切り下げていたのに、突然、前回の高値を切り上げて、そのあと、安値を更新したりと。
この動きが出た時は、ポジションを手仕舞う準備をしてください。
最後は『成行』で逃げよう!
トレンドが反転するときに「短いローソク足が連続して徐々に反転していく」、なんてことは殆どないと思っていてください。長いヒゲや長いローソク足を交互に出現させます。
相場の格言に「頭としっぽはくれてやれ」というものがあります。
トレンドの最後に起こる乱高下は、格言の”しっぽ”に該当します。ですから、決済する際は「利益」が乗っているポジションも「含み損」があるポジションも、すべて成行で決済しましょう。
全決済のタイミング
ポジションの全決済のポイントとしては、ローソク足が長めの下ヒゲや上ヒゲをつけて交互に3本連続して出現したとき、あるいは大陰線、大陽線が交互に3本連続して出現したときがそのタイミングです。
つまり、激しいローソク足が交互に3本連続で出現した場合は、すべてのポジションを成行で決済しましょうということです。
実は、細かい定義はこれぐらいしかありません。利食いが損切りより難しいと言われる所以ではないでしょうか。
ポジション調整・利食い・手仕舞いの実例
下図はチャネル終盤で乱高下している部分の拡大チャートですが、色々な情報が詰まっています。
赤い四角部分は、これまで何度も説明してきた利食いのタイミングです。
青色の丸部分2カ所は、ローソク足が切り上がったポイントです。ここで一部利食い、または損切りを実行して、保有ポジションを縮小します。
1番目の青丸横のローソク足は、大陰線です。その後、値を切り下げていきますが、ヒゲの長いローソク足が複数出現し始めます(緑色の丸部分)。同時に相場が乱高下してきましたので、底値が近いかなと判断します。
2番目の赤い四角部分は、利食いのシグナルが出ましたので、一部利食いして更にポジションを減らします。
その後、上ヒゲ、下ヒゲの長いローソク足が連続して出現、次の足が大きめの陽線です。3本連続して出現しましたので、二つ目の青丸部分で全てのポジションを決済します。
以上でトレンド相場におけるポジション調整、利食い、損切りは全て完了しました。ポジションをスクエア(保有ポジションが無い状態)にした後は、しばし相場を眺めていましょう。
トレンドが終了した後は、反転して再びトレンドが起きるのか、あるいはレンジ相場になるのかを観察しましょう。トレンドが発生したら再度トレード開始です!
最終章では、わたくしヒロピーが自身のトレードで失敗したシナリオや、それを糧にして克服した方法、成功したシナリオなどを紹介しますね!