外国為替市場とは-FXが24時間取引できる仕組み
外国為替市場とは、2種類の通貨を交換する取引市場のことをいいます。
世界のあちこちに存在します。日本には東京外国為替市場があり、米国のニューヨーク市場、イギリスのロンドン市場に並ぶ『世界三大市場』の一つです。
それでは、為替市場では、いつ、どこで、誰が、どのように取引しているでしょうか。確認しましょう。
2種類の通貨を交換する取引市場
外国為替市場では、日本円を米ドルに交換したり、豪ドル、ユーロ、ポンドなど、外国の通貨(外貨)を日本円に交換するなど、2種類の通貨を交換する取引が活発に行われいてます。
もちろん、ユーロと米ドル、あるいはポンドとスイスフランなど、交換できる通貨は日本円ばかりではなく、円を含まない通貨の取引も可能です。
為替レートは常に変動している
通貨を交換するときのレート(交換比率)は、それぞれの国における経済状況や政治状況、金利や貿易収支、世界情勢など様々な要因によって常に変動しています。
例えば、「円高・ドル安」という場合、ドルに比べて円が強い(価値が高い)ということになります。
しかし、同じ円高でも、見方は様々です。
- 円が強くなって円高になったのか
- ドルが弱くなって、相対的に円が強くなったのか
- 上の2つが同時に起きたのか
これらを分析することによって、次の一手を考えたり、中期的な為替相場の予想を考えたりできます。
為替取引で生じる利益と損失
為替取引の知識がない、あるいは為替取引の経験がない。
そうした方でも、海外旅行に行った経験がある方であれば、円を外貨に換えたり、外貨を円に戻したりという『両替』の経験があるかと思います。
為替取引は、この『両替』と似たことをしています。
海外旅行時の例
たとえば、海外旅行出発前に手持ちの10万円をドルに両替(ドル買)したとします。為替レートが1ドル=115円だとすれば、869.56ドルをもらいます。
帰国して869.56ドルを再び日本円に両替(円買)したところ、円高が進み1ドル=110円になっていました。この場合、手にする日本円は
旅行前には10万円あった手持ち金が4,349円減っています。
逆に、帰国後に円安が進み1ドル=120円になっていたらどうでしょう。
旅行前に10万円だった手持ち金は、4,347円増えています。
実際には交換手数料がかかりますから、全くこの通りではありません。しかし、円相場が動くと、買い戻した日本円に差が生じることが分かります。
FX(外国為替証拠金取引)を始めるには、こうした円の変動(為替相場)の動きを長期的にも短期的にも注目しながら、売り買いしていきます。
外国為替市場の1日
外国為替の取引の場となるのが「外国為替市場」です。「東京外国為替市場、本日の円相場は・・・」ニュースでしばしば耳にします。
市場というと建物をイメージしがちですが、東京証券取引所のような建物があるわけではなく、バーチャルな市場です。
為替市場は、通信回線を通じて、世界各国が24時間つながっているネットワークで構成されています。
市場参加者(国・銀行・機関投資家・企業・個人など)は、この巨大なネットワーク市場を通じて、24時間取引が可能です。
月曜の朝、ウェリントン市場(ニュージーランド)から取引が開始します。次に、東京市場がオープンすると、取引の中心はアジアに移動します。
その後、東京時間の17時ころからロンドン市場が開き、東京時間の夜10時ころからニューヨーク市場が始まります。
そして、翌朝には再びウェリントン市場に戻るといった1日のサイクルで、土曜の朝にニューヨーク市場が閉じると、外国為替市場の1週間は終わります。
FXは24時間取引が可能
FXは、このような環境で、24時間いつでも取引可能です。そして、さまざまな国で、多くの人が外国為替市場に参加しています。
取引する時間帯によってトレードスタイルを決められる
よって、デイトレードの場合、どの時間帯に取引するかによって、戦略・戦術も変わってくるということになります。
言い方を変えれば、自分が取引できる時間帯を選んで、お好みのトレード方法で取引できるということです。
月曜から金曜日まで会社勤めのサラリーマンの方、専業主婦の方、勤務時間が不規則な方など、いろいろなライフスタイルがあります。
FXの取引は、時間や期間を自分で決められるため、独自の投資スタイルを確立できます。
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