FXのトレードスタイル|最適なトレード方法の見つけ方
FXには、何時から何時まで、あるいは何月何日から何月何日までといった、取引期間の制約はありません。いつトレードを始めて、いつ終了させるか、自由に決められます。
また、トレード資金が大きいほど自由に取引できますが、資金が少なくても、1万円もあればFXを始められます。
投資家自身が、自分のライフスタイルに合わせて、トレードスタイルやトレード手法を決めます。
そこで、自分にぴったりなトレードスタイルや手法の見つけ方を考えてみましょう。
トレードスタイルを決める
トレードスタイルを決める上で特にポイントになるのは、以下の3点です。それぞれは相互に関連していますので、グラフを使って確認します。
- 取引できる時間
- 資金
- 知識
取引できる時間と資金の関係
FXに費やせる時間も資金も大きい場合、自由度が大きいです(グラフ右上)。このため、お好みのトレードが何でもできると言っても過言ではありません。
(資産を増やせるかどうか、ではない点に注意。時間と資金を投入しても、損することがあります。)
資金力がありますので、複数のトレード手法を、同時に採用することも可能です。
その逆に、時間も資金も乏しい場合は、採用できるトレード手法は限られます(グラフ左下)。例えば、中長期のリピート系FXは、一般的に多額の資金を要します。
そこで、資金が少なくてもできる手法で取引することになります。
どちらか一方が不足している場合は、グラフ左上または右下となります。資金量が不足している場合の方が、トレードの自由度が小さくなります。
知識と資金の関係
次に、知識と資金の関係です。グラフに「相場適合性」とあります。これは、相場(この場合はFX)をする準備ができているか、それともFXをすべきでないかということです。
左下を見ますと、「相場適合性が低い」とあります。すなわち、知識も資金も乏しい場合は、FXをすべきではありません。簡単に損してしまう可能性があるためです。
まずは、FXのルール、手法やリスクを知ることが大切です。
その反対側、すなわち右上を見ますと、相場適合性が高いです。すなわち、知識も資金もあります。専業トレーダーと呼ばれる人々は、このカテゴリに入ります。
専業トレーダーになる必要はありませんが、右上に属すると、資金を増やしやすくなります。
そこで、その他3つのカテゴリにいる場合は、知識と資金を増やしながら右上への移行を目指します。
知識と取引できる時間の関係
3つ目のグラフは、知識と取引可能時間の関係です。
時間がないという場合、知識があればカバー可能です。例えば、自動売買をしたり、朝の10分間だけ取引するなど。
ところが、知識がないと、どれだけ時間があっても損してしまいます。デモトレードを使いつつ、知識の蓄積に努めます。
専業トレーダーは、右上のカテゴリにいます。いつでも取引できますが、自分にとって最もやりやすい時間帯を狙って取引可能です。
このため、専業だからといって、1日中チャートを眺めているわけではありません。
空いた時間を使って、自分がやりたいことができます(もちろん、1日中チャートを眺めることもできます)。
取引時間を考えよう
以上、3つの要素について考察しましたが、ここで時間の要素について、深く確認します。
FXは平日24時間取引可能ですが、全世界が24時間ずっと取引しているわけではありません。
日本時間のお昼は、日本の銀行等で取引が活発です、しかし、深夜は取引していません。その時間帯、ヨーロッパやアメリカは昼ですから、取引が活発に行われています。
すなわち、時間とともに中心となる場所を変えながら、全体として24時間の取引が可能となっています。
上のグラフの通り、取引の中心となる場所が変化している様子が分かります。現代はインターネットが発達していますから、日本時間の深夜でも売買可能です。
なお、24時間取引できるとはいっても、丸一日トレードに時間を割くのは不可能ですし、専業トレーダーでさえ、取引する時間を決めてトレードしています。
効率的にトレードするには、為替が活発に動く時間帯を知っておく必要があります。
相場が活発に動く時間帯
1日のうちで為替が比較的大きく動く時間をザックリと覚えておきましょう。
特に、スキャルピングやデイトレードといった短期売買を主軸に考えている場合、相場が活発化する時間帯と参加する市場の特徴を掴んでおく必要があります。
※ニューヨーク市場、ロンドン市場は、夏にはサマータイムが適用され、1時間早まります。
この時間帯は、東京市場、ロンドン市場、ニューヨーク市場のオープン前後から2時間くらいです。経済指標などが発表されると、為替が活発に動きます。
特に値動きが活発になる時間帯ニューヨークの暴れ相場は流動性が大
ニューヨーク市場の午前中は、相場がダイナミックに動く時間帯です。日本時間では、22時30分~24時(サマータイム時は21時30分~23時)あたりの時間帯です。
ニューヨーク市場は、ヨーロッパ・ロンドン市場と半日重なっており、他の市場よりも流動性が高くなります(=取引量が多くなります)。
特に、多くの経済指標が発表されるニューヨーク市場の午前中は、指標発表の直後に米系の投機筋が活発に取引を開始すると言われることもあり、相場が大きく動く特徴があります。
以下、時間帯別に見た取引例を2つ、ご案内します。
日本時間午前中に決着する例
ニューヨーク時間が終わる近辺の朝6時くらいは、相場の転換点になることも多いので、早起きしてポジションを持って、午前10時頃に利益確定というリズムが可能です。
午前中に損益を確定して、その日の取引はそこで終わりというパターンです。
ただし、午前8時前後までの早朝は流動性が低下しますので、値動きが荒かったり、スプレッドが不安定となることもありますので注意が必要です。
午後に取引する例
16時頃からのロンドン時間に仕込んで、21時頃からのニューヨーク時間までに取引を終わらせる方法です。
東京市場とは違い、値動きも期待できて流動性もある程度確保されますので、デイトレードやスキャルピングなど、短期トレードがしやすい時間帯です。
トレードはライフスタイルに合わせて
トレードスタイルと日常生活は無関係ではありません。日中、あるいは夜の決まった時間帯に仕事をされている方、毎日の家事がある方、まったく時間に拘束されない方など様々でしょう。
FXは、平日24時間いつでもトレードできますので、仕事で時間を拘束される方も、自由な時間が多い方も、生活スタイルは違ってもトレード可能です。
サラリーマンの場合
サラリーマンの方は、会社の就業規則によって時間が拘束されますので、それ以外の自由になる時間帯がトレード時間となるでしょう。
取引に費やせる時間はそれぞれ違いますが、日中働いて夜は自宅で過ごす場合、ニューヨーク市場が動き出す日本時間の21時~24時を中心とした戦略を立てられます。
また、トレードする時間が十分でない場合は、長期チャートを利用したり、自動売買を使ったりしてトレードできます。
主婦の場合
主婦の方は、お子さんがいる方といない方では、1日のスケジュールが違ってきます。
東京時間の午前中、欧州市場が始まる16時頃、そしてニューヨーク市場が始まる21時頃からが、為替相場が活発化する時間帯です。この時間帯を軸にトレード戦略を立てるのも良いでしょう。
自分で隙間時間を作って、その時間帯に取引します。
時間に拘束されない場合
スキャルピングやデイトレードを行うアクティブなトレーダーの場合は、時間に拘束されず、1日の中でトレードの時間を自由に確保できます。
取引チャンスを逃さないトレードと、規則正しい生活のバランスを取ることが重要です。
時間の配分は自由にできます。しかし、根を詰めて取引すると、休憩できるのは、薄商いで相場が不安定になってしまうオセアニア時間と、値動きの少ない東京時間の昼休みくらいです。
それだけトレードに集中すると、健康に悪い影響を与えてしまうかもしれません。何事も、バランスが大切です。
トレード手法の種類
次に、時間でなく手法で考察します。
FXのトレード手法を大きく分けると、数秒から一日という短期的な為替変動の差を狙う短期売買と、数日から数年という為替変動の差を狙う中・長期売買に分かれます。
長期派は、スワップポイント獲得も期待しますので、為替差益との両取りを狙うことが多くなります。
これらをトレード時間で細分化すると、以下の通りです。
トレード手法 | トレード時間(期間)の目安 | 狙い |
---|---|---|
スキャルピング | 数秒~数分 | 為替差益 |
デイトレード | 数分~1日 | 為替差益 |
スイングトレード | 1日~数週間 | 為替差益 |
ポジショントレード | 数週間~数年 | 為替差益+スワップポイント |
FXは、日本時間の月曜日の朝から土曜日の朝まで、24時間連続して取引可能です。
そこで、取引できる時間帯に合わせて、トレード手法や通貨ペアなど、自分に合ったトレード戦略を練ることができます。
トレードの期間や時間軸に合わせた手法
どれだけの時間チャートを眺めて取引したいか?という視点でも、トレード手法を選べます。トレード手法が変われば、取引回数や1回のトレードで獲得する目標利益幅も変わります。
下図は、そのイメージです。
スキャルピングの場合
スキャルピングは、トレードする時間そのものは短いです。
しかし、トレードチャンスが見つかったら、即座に取引を始める必要がありますから、チャートを眺める時間は長くなります。
また、1回のトレードで獲得できる利幅は、数pips~10pipsくらいでしょう。そのため、大きな利益が欲しい場合は、取引数量が大きくなります。
レバレッジを大きめに取るのも、このスタイルの特徴です。
デイトレードの場合
デイトレードは、1日の値動きを予測して利益を狙います。
トレードチャンスがある通貨ペアを見つけ出し、どこで取引を始めてどこで終了するか、シナリオを検討してトレードします。
トレード時間は数分~1日と幅があり、トレード前の相場分析、ポジション保有中のチェックなど、相場と向き合う時間は短くありません。
また、数十pipsの利益幅を狙いに行くトレードを、1日に数回繰り返します。大きな利益を狙う場合は、数倍のレバレッジをかけてトレードします。
スイングトレードの場合
利用する時間軸にもよりますが、トレード期間は1日~数週間です。上の短期売買よりも、格段にトレード回数は少ないです。
相場と向き合う時間も少なく済みます。例えば、4時間足でトレードする場合、1日5,6回チェック(4時間毎など)する程度です。日足チャートであれば、1日1回のチェックでもOKです。
一般的には、トレンドが発生している通貨ペアを狙ってトレードしますので、狙う利益幅は、100pips以上です。
ポジショントレードの場合
ポジショントレードは、数週間~数年間ポジションを保有します。したがって、トレード回数はとても少ないです。
ここで、分かりやすい取引例を紹介しましょう。下は、1999年からの豪ドル/ニュージランドドル(AUD/NZD)の月足チャートです。
赤のラインは、1999年以降の最低価格を付けた位置です(2015年4月1日)。そして、赤丸の位置は、そのラインをヒゲで下抜いた位置です(2020年3月1日)。
下は拡大図です。
その後、反発して上昇を開始しました。月が変わっても上昇を続けています。
上昇がどこまで続くか不明ですが、仮に青色のラインで利食いするとすれば、赤ラインからのレート差は、1100pips以上あります。
赤のラインでポジションを保有するには勇気がいりますが、ポジションを持てば、数百pips以上の利益を期待できます。
このように、難しい分析もなければ、トレードを検討してから開始するまでの時間に余裕があり、大きな利益幅が期待できるのがポジショントレードです。
注意点は、スワップポイントを支払うポジションになる場合、その金額が大きくなるかどうか、という点です。
特定の値動きに有効な手法
次に、特定の値動きに有効な手法を考察します。
チャートを眺めていると、特定の値動きが見つかります。すなわち、レンジ相場とトレンド相場です。
- レンジ相場:一定の範囲で、上昇と下落を繰り返す相場
- トレンド相場:継続的に上昇または下落する相場
このような相場に適したトレード手法とは、何でしょうか。下のリンク先記事でいくつか検討しています。
また、チャートの形でなく、特定の時刻に有効な手法もあります。
レンジ相場もトレンド相場も、いつ出現するか分かりません。よって、その出現を待つ必要があります。しかし、特定の時刻に有効という場合、待ち時間が不要というメリットがあります。
投入する資金量によっても手法は異なる
FXに投入できる資金量によっても、取引内容が変わってきます。資金が十分にあるならば、1取引10万通貨以上で、いくつもの通貨ペアで同時に取引できるでしょう。
多少の損失を出しても、あまり痛くないかもしれません。
逆に、資金が少ない場合は、最低取引数量は1,000通貨以下にすべきでしょう。また、同時にいくつものトレードを実行するのは難しいかもしれません。
資金が少ない方が、制約が大きくなります。そこで、資金が少ない場合のトレード手法をご案内します。
複数の得意なトレード手法を持つ方が良い
相場は上昇か下落か、2つに1つしかないのに実に自由に動き回ります。
このため、いくつかのトレード手法を使えるようにした方が、様々な相場状況に対応できます。
ただし、10個も20個も極める必要はありません。そんなに数多くの手法を極めるには、勉強するための長い時間と専門的な知識が必要になります。
2つ~3つくらいで十分です。
そして、その複数の手法を選ぶ場合には、それぞれ得意分野が違うほうが望ましいです(トレンド相場が得意な手法と、レンジ相場が得意な手法、という具合)。
デモトレードの活用
トレードスタイルや取引手法を見つけるのは、難しいかもしれません。
片っ端から試してみるという場合、数多くのFXトレード手法を使ってトレードすることになります。現金を投入してトレードしても良いですが、それだといくら資金があっても足りないです。
その心配があるときには、デモトレードを使います。
デモトレードならば、負けても勝っても自分の手持ち資金に変動はありません。しかも、現実の値動きと同じ為替レートで取引できます。トレード手法を探すときのツールとして有効です。
ただし、デモトレードにも欠点があります。それは、負けても損しないので緊張感がないということです。緊張感がなければ、成果が上がりにくいかもしれません。
極小資金でのトレード
その場合は、極めて小さな資金だけ使って小さなトレードをする案があります。
すなわち、100銭の値幅で負けても損失額は100円、といった具合です。
こういった極小の取引ができるFX口座の代表格は、SBIFXトレードです。1通貨(1米ドル、1ユーロ等)から取引可能ですので、緊張感を保ちながらトレード手法を探したいというときに最適でしょう。
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